よくある質問

    詐欺かどうか判断できません

    暗号資産を勧められ、言われるままに操作して取引を始めました。サイト上では順調に資産が増えているように見えていたのに、いざ引き出そうとすると「検証資金が必要です」「税金を払ってください」などと、引き出しのために追加のお金を要求されました。

    「もしかしたら、追加で支払えば引き出せるのかも…」
    そんなふうに考えてしまう気持ちも分かります。

    でも、そこで支払ってはいけません。それは詐欺です。
    なぜなら、正規の暗号資産取引所(CEX)が、出金の際に追加で資金を要求することは絶対にないからです。

    もし確かな証拠が欲しい場合は、このサイト内で紹介している「暗号資産の追跡方法」を試してみてください。
    あなたが送った暗号資産が、あなたの操作とは無関係に、数分後には別のウォレットに送金されていることが確認できるはずです。
    それが、詐欺の“証拠”になります。

    警察に行くべき?

    「警察に行ったほうがいいですか?」と聞かれたら、答えは「はい、行くべきです」

    暗号資産詐欺は、単に「お金をだまし取られた」だけでは終わらない可能性があります。
    偽の取引サイトを使う中で、KYC(本人確認)の名目で免許証や顔写真をアップロードしませんでしたか?

    もしそうであれば、あなたの個人情報はすでに詐欺師の手に渡っている可能性があります。
    今後、その情報が悪用されるリスクもあるのです。

    警察に相談して被害届が受理されれば、「●月●日 ○○番」といった受理番号が発行されます。
    この番号があることで、もしもあなたの個人情報が何らかのかたちで使われた場合、「自分は詐欺被害者であり、その情報は悪用されたものです」と証明できます。

    もちろん、報道などを心配される方もいます。
    被害届が受理されると、事件として扱われ、メディアに報道される可能性も出てきます。ただし、個人が特定されることは通常ありません。

    「それでも報道が怖いから、被害届は出さない」という選択も否定されるものではありません。
    その場合は、以下のような自衛策を講じてください:

    • 免許証の再発行(紛失に限らず再発行できるようになりました)
    • 信用情報機関(CIC・JICC・全国銀行個人信用情報センター)への本人申告手続き

    つまり、被害届を出さない場合には、信用情報機関に対する申告など、思いつく限りの自己防衛策を自分で講じる必要があります。

    救済はないの?

    暗号資産詐欺に遭ってしまった方のために、国が用意している制度のひとつに「被害回復給付金支給制度」があります。

    この制度は、組織的な詐欺などで得た財産が刑事裁判で没収・追徴され、現金化された場合に、そのお金を「給付資金」として国が保管し、被害者に分配するという仕組みです。

    ただし、すべての事件で自動的に給付されるわけではありません。次のような条件があります:

    • 詐欺が組織的に行われていたこと
    • 刑事裁判で犯人から犯罪収益が没収されたこと
    • その財産が現金化され、給付資金として確保されていること

    給付手続きが開始されると、官報や検察庁のWebサイトなどで告知され、申請期間内に必要書類を提出すれば、検察官の審査を経て給付を受けられる可能性があります

    ただし、制度の対象となる事件は限られており、実際に支給に至るケースは多くありません。期待しすぎず、参考程度に知っておくと良いでしょう。

    詳しくは、法務省:被害回復給付金支給制度をご覧ください。

    家族に話す勇気がないです

    家族に詐欺被害を打ち明けること——それは、被害を受けた瞬間よりも、ある意味で「覚悟が決まる瞬間」かもしれません。

    「自分でなんとかできないか」「なかったことにできないか」——そんな気持ちがあるうちは、心のどこかで「詐欺にあったことを認めたくない」という思いが強いのだと思います。

    現実に向き合い、自分が被害者だと認めること。それが、回復への第一歩です。

    一番大切な人にこそ、勇気を出して話してみてください。
    離婚を切り出されるかもしれない。責められるかもしれない。
    それでも、黙っていることは、今度はあなたが家族を騙すことになるのではないでしょうか。。

    あなたが黙って抱えている間に、詐欺師による「追い打ち」が始まることもあります。
    また、暗号資産詐欺の被害者に対して、「取り返せる」と希望をちらつかせ、高額な調査費用を請求してくる悪徳業者も存在します。

    そんなとき、自分ひとりで判断しようとしないでください。
    抱え込まず、相談して、助けを求めてください。

    大切な家族にこそ、真っ先に相談してください。
    「話す」ことが、あなたの未来を守る最初のアクションになります。

    悲しすぎて心が痛いです

    なぜこんなに悲しいのか考えてみましょう。
    もちろん、詐欺被害にあって悲しいのはわかります。それだけではないですよね?
    詐欺被害の報道が出るたびに目にする、無責任なコメントたちが一因になっているのではないですか?。

    「バカじゃないの?」「報道見てないの?」「欲を出したからだろ」
    「なんでそんな大金持ってるんだよ」――

    そういった言葉で、世の中はいつのまにか
    「騙された人が悪い」 という空気に染まってしまっている。

    でも、それぞれに事情がある。
    心に隙間のない人なんて、いないんです。

    騙された人が悪いんじゃない。騙すほうが、悪いに決まってる。
    これは、犯罪なんです。あなたは、被害者なんです。

    追い打ちをかけるような言葉を平気で言う人たちは、
    あなたのことを何も知らない人たちです。

    特に、大金を奪われた方。
    それは、数十年かけてコツコツ貯めたお金かもしれない。
    節約して、したいことを我慢して、何かのために備えていたお金かもしれない。
    ――悲しくて当たり前です。

    その感情は、正常なものです。

    もし、夜も眠れないような日が続くなら。
    心療内科を受診してもいいし、カウンセリングを受けるという選択もあります。

    心が痛むと、身体も壊れます(心身症)。
    甘く見ないで。自分の心を守ってください。

    そして、病院に行くなら、よく調べて、信頼できる場所を選んでください。

    個人情報が心配です

    詐欺サイトに運転免許証の写真をアップロードしてしまった。
    あれって、あとから悪用されないだろうか……。
    とても多くの方が、そう不安を感じています。

    その不安は、現実的で、正しい感覚です。

    たとえば、暗号資産取引所のようにKYC認証(本人確認)を装った詐欺の手口では、
    運転免許証を撮影して送るよう指示されることがあります。

    そして、一度出回ってしまった免許証は、再発行しても完全に無効化はできません。

    なぜなら、認証を行う側(業者やシステム)は、
    免許証番号の正当性や公安データベースの照会をしているわけではないからです。

    彼らが見ているのは、
    ・顔写真
    ・氏名・住所
    ・生年月日

    といった「見た目だけ」。
    つまり、有効期限内の免許証画像があれば、本人になりすますことができてしまうのです。

    では、どうすればいいのか?

    個人情報を奪われたことが確実であれば、すぐに自己防衛策を取りましょう。

    ・警察へ相談し、被害届を提出(受理番号が重要)
    ・信用情報機関(CIC、JICC、全国銀行協会)への「本人申告登録」手続き
    ・各種本人確認が必要な場面で「私は詐欺に遭いました」という証明ができる状態を整えておく

    このような対応をすることで、たとえ誰かがあなたの情報を使って契約しようとしても、
    「それは本人ではありません」と主張できる根拠になります。

    もし悪用されたら?

    もし「あなたではない」と証明できた場合、
    本人確認をした側(業者や認証システム)が騙されたことになるという構造になっています。

    つまり、正しい証明を出せるように備えておけば、
    あなたが損害賠償を負うことはありません。

    不安なまま放置せず、できる手続きを一つずつ進めましょう。
    「知らなかった」では済まされない時代だからこそ、正しく守る準備が必要です。

    詐欺だと確定しましたが、まだ詐欺師とLINEがつながっています

    詐欺だと自分で気づいたものの、相手とまだLINEでつながっている。
    相手にはまだ詐欺だと伝えておらず、関係を保っている状態ですね。

    まず、その状態のまま警察に相談してください。
    決して一人で対応しないでください。

    なぜ詐欺師は、お金を奪ったあともやり取りを続けるのか。
    それは、まだあなたから絞り取れると思っているからです。

    詐欺師はこうなるのを待っています。
    「あなたの指示通りに引き出そうとしたら、口座が凍結されて検証資金を求められました。どうしたらいいですか?」
    そう相談してくるのを。

    そして、詐欺師はこう答えます。
    「それはお金を払えば解決できますよ。」
    「でも、もうお金がありません。」
    「大丈夫です。引き出せるようになりますから、借金してでも払ってください。利益のほうが大きいですから。」

    このように、借金までさせて、取れるだけ取ろうとしてきます。

    LINEがブロックされていない状態であれば、警察に相談し、
    警察に「そのままつながった状態にして情報提供してほしい」と言われるかもしれません。
    あるいは「すぐブロックしてください」と言われるかもしれません。判断を仰ぎましょう。

    ただし、自分ひとりの判断で泳がせるのはとても危険です。
    相手の言葉に再び引き込まれ、丸め込まれて、追加でお金を払ってしまうことにもなりかねません。

    必ず、誰かに相談してください。
    あなたを守るために、冷静な第三者の視点が必要です。

    証拠をどうまとめたらいいですか?

    暗号資産詐欺の場合、まず正規の暗号資産取引所(CEX)に日本円を入金し、暗号資産を購入するところから始まります。
    その後、詐欺師の指示に従って、偽の投資サイトやデポジット用ウォレットに暗号資産を送金してしまったという流れが多いと思います。

    送金先や使われた手口はケースバイケースですが、証拠として共通して必要になる情報は以下のようなものです。

    ・最初に使った暗号資産取引所(CEX)の名称
    ・CEXへの入金履歴(日本円→暗号資産の購入履歴)
    ・詐欺サイトへの送金履歴(暗号資産の移動履歴)
    ・送金先ウォレットアドレス(どこへ送ったのか)
    ・取引履歴のスクリーンショット
    ・相手とやり取りしたLINEやSNSの内容(やりとりの画面や指示の文面)

    加えて、次のような情報も可能な範囲でまとめておきましょう。

    ・送金日や金額
    ・相手の名前や連絡先(偽名であっても)
    ・詐欺サイトのURLやスクリーンショット
    ・詐欺師が名乗っていた投資名、会社名、プロジェクト名など

    証拠は、ただ保存しておくだけではなく、「時系列で整理」するのがおすすめです。
    誰に、いつ、何をされたかが見えやすくなると、警察や弁護士も対応しやすくなります。

    また、ウォレットの動きを可視化するには、ブロックチェーンエクスプローラー(Etherscanなど)を使ってトランザクション履歴を確認する方法もあります。
    このサイトでも追跡方法を紹介しているので、活用してみてください。

    またお金を払ってしまいました

    「また払ってしまった」

    自分でも、おかしいと気づいていたはずなのに。
    これは詐欺かもしれないと、どこかで思っていたのに。
    なのに、またお金を払ってしまった——。

    そうして、自分を責めて、誰にも言えなくなってしまった方がたくさんいます。

    でも、それはあなたが弱いからではありません。
    「もしかしたら本当かもしれない」と、わずかな希望にすがった。
    その“まっすぐさ”を、詐欺師が利用したんです。

    実際、追加で支払ってしまう人は少なくありません。
    とくに、最初に振り込んだお金で「資産が増えたように見えた」人ほど、
    その画面を信じてしまい、「取り返せるかもしれない」と思ってしまいます。

    この心理は、いわゆる「豚の屠殺詐欺」と呼ばれる手口でよく見られます。
    被害者に希望を見せ、大金を入金させたあと、
    さらに搾り取るために「あと少しで出金できる」という夢を見せ続けるのです。

    せめて投資した分だけでも取り返したい——
    その気持ちが利用され、借金までして追加送金してしまった人もいます。

    でも、追加分も含めて、返金は非常に困難です。
    そして、その後さらに「取り返せる支援」を装った悪徳業者に狙われるなど、
    二次被害が続くケースもあります。

    この地獄を止めるためには、
    まず「自分は詐欺に遭った」と、はっきり認めることが必要です。

    苦しいですが、それが回復の第一歩です。
    ここから、まだ止めることはできます。
    これ以上、傷が深くならないように。今、行動を変えるチャンスです。

    自分がバカだったと責めてしまいます

    最近の詐欺は、とても巧妙です。
    一見すると誰でも気づけるような話に見えるかもしれませんが、実際にはとても複雑で緻密に仕掛けられています。

    「なんで信じたの?」「そんなの騙されるなんてバカでしょ」
    そんな言葉を簡単に投げつけてくる人もいます。
    でも、その人たちは、知らないだけです。
    そしてもし自分が同じように騙されたとき、過去に発したその言葉のせいで、誰にも相談できなくなるかもしれません。

    なぜ、特殊詐欺の手口がこれほど広く報道されているのに、被害者が後を絶たないのでしょうか?
    それは、詐欺がそれだけ“悪質で巧妙”だからです。

    あなたは、ただ“悪い人に出会ってしまった”。
    誠実に対応してしまっただけなんです。

    バカだったのでしょうか?
    自分が悪かったのでしょうか?
    ──いいえ。そうではありません。

    本当に悪い人は、あなたからお金を奪い、心まで傷つけた相手です。
    あなたではありません。

    自分を責め続ける必要はありません。