国際ロマンス詐欺・暗号資産詐欺の見分け方|出金できない・LINEで誘導されたら要注意

    詐欺なのか確定できない状態のあなたへ

    LINEで会話を重ねてきた会ったこともない人。長い期間かけて会話してきて、相手の人間性も知っている。何なら好きになってしまった。そんな人に投資を勧められたあなたは、疑いつつも暗号資産取引を始めてしまったのでしょうか?

    よく聞く「出金できない」という状況になり、当サイトにたどり着いたのでしょうか?

    相手を信じたい気持ちがある。信じていなければやったこともない暗号資産取引などしなかった。
    言葉を選ばず言うとすれば「詐欺師に洗脳されている」状態だと思います。
    自分は違うんだと思いたい。詐欺かもしれないじゃ動けない

    確認してみませんか?詐欺だったのかを。

    暗号資産を送った場合、ブロックチェーンの情報は一般公開されています。あなたも確認することが出来ますよ。

    暗号資産詐欺の仕組み

    この詐欺の典型的な流れ

    1. あなたはCEX(国内暗号資産取引所)に口座を開設し、日本円を入金した。
    2. そこから、自分名義のウォレットではなく、“指定されたアドレス”に送金した。
      • あなたは「自分の取引用ウォレット」だと信じていた。
      • しかし実際には、詐欺師が管理しているウォレットに送金している。
    3. そのアドレスから、すぐに別のアドレスへ資金が移されている。
      • これは、「デポジットアドレス」のように見せかけた中間の仮置きアドレス
      • 資金を隠すため、何段階にも分けて送金されることもある。

    🔸デポジットウォレットとは?

    暗号資産(仮想通貨)の取引所や一部の投資サービスでは、ユーザーごとに一時的な受け取り専用アドレス(=デポジットウォレット)を割り当てることがあります。

    これは以下のような仕組みです:

    • あなたが取引所やサービスに暗号資産を入金するとき、
       「このアドレスに送ってください」と指定されるアドレスが表示される。
    • このアドレスは、あなた“専用”に見えるが、実は一時的な仮アドレスであり、
       送られた資産はすぐに管理者(取引所など)の本アドレスへ自動的に移される
    • これを「デポジットウォレット(預かりアドレス)」と呼びます。

    詐欺に悪用されるデポジットウォレットのトリック

    詐欺師は、実際の取引所をまねた偽サイトや偽アプリを使い、次のように仕掛けます:

    1. 「投資に使うあなたのウォレットアドレスです」として、
       詐欺師が用意したアドレス(=詐欺用の“なんちゃってデポジットウォレット”)を提示。
    2. あなたがそこに送金すると、
       すぐに別の中継アドレス → 詐欺師の本アドレスへと資金が移されていく
    3. あなたは「自分の資産がサイトに反映された」と信じ、操作を続けてしまう。
       (実際は、もう完全に奪われている)

    見分けるポイント

    • 本物の取引所のデポジットアドレスは、ユーザー認証後に表示される
    • 本物のデポジットアドレスに送った場合、資産は取引所内に入り「残高」に反映される。
    • 詐欺の場合、送った直後に資産が別アドレスへ移動している。
    • 詐欺師はあなたに管理権限がないアドレスを「あなたの口座」と偽る。

    補足

    本当の「自分のウォレット」(MetaMaskなど)は、自分で秘密鍵や復元フレーズを管理しています。
    でも詐欺で使われるウォレットはあなたが秘密鍵を知らない=実は他人のウォレットなんです。

    つまり…

    あなたが信じていた相手に、実際は資産を“引き渡して”しまっていたのです。
    そして、あなたが「出金できない」「連絡が取れない」と気づいた頃には、もうお金は移動されて戻せない状態に。


    この仕組みに当てはまっていたら、「詐欺だったのか」と確信できます。

    ここまで読んで、心当たりのある方。
    次に、実際にその送金履歴を確認してみましょう。


    あんこさんの事例を見てみましょう(お問い合わせ・投稿に送って頂いた情報を元に構成)

    あんこさんは、国内の暗号資産取引所でイーサリアム(ETH)を購入し、相手から指示されたウォレットアドレスに送金しました。その際、相手から提示されたのが以下のような「入金アドレス画面」です。

    スクロールできます
    日本国内のCEXに100万円を入れ、ETHを購入しました
    ETHをデポジットウォレットへ送金しました。
    この送金先アドレスをコピーしてください。
    TxIDとは、取引IDの事です
    こちら多数の被害報告のあるサイトです。
    ここに誘導されました。
    以後「TruBit Proと名乗るサイト」と表記
    デポジットアドレスをコピーして
    送金先に貼るように指示されました。

    送金後、「TruBit Proと名乗るサイト」から”入金されました”とメールがありました。その後、「TruBit Proと名乗るサイト」で偽取引をし、資金が増えたように演出されます。いざ出金しようとすると「税金」「手数料」などと称して再度の入金を求められるように…。このような詐欺では、そもそもこのウォレットアドレス自体が詐欺師のものであることがほとんどです。

    暗号資産の動きを追跡するには

    暗号資産(仮想通貨)はブロックチェーンの種類によって追跡ツール(ブロックチェーンエクスプローラー)が異なります。以下に、主要な暗号資産と対応する代表的なエクスプローラーをまとめました。

    スクロールできます
    暗号資産(トークン)対応ブロックチェーンエクスプローラー(追跡ツール)URL
    ETH / USDT(ERC-20) / 他多数Ethereum(イーサリアム)Etherscanhttps://etherscan.io
    BTC(ビットコイン)Bitcoin(ビットコイン)Blockchain.com Explorer などhttps://www.blockchain.com/explorer
    USDT(TRC-20) / TRXTRON(トロン)TRONSCANhttps://tronscan.org
    BNB / USDT(BEP-20) / 他BNB Chain(旧BSC)BscScanhttps://bscscan.com
    MATIC / USDT(Polygon)Polygon(ポリゴン)Polygonscanhttps://polygonscan.com
    AVAX / USDT(AVAX-C Chain)Avalanche(Cチェーン)SnowTrace(現在停止中)→ AvaScanなどhttps://avascan.info
    SOL / USDC(Solana)Solana(ソラナ)Solscan / Solana Explorerhttps://solscan.io
    XRP(リップル)Ripple(XRP Ledger)XRP Scanhttps://xrpscan.com

    あんこさんの例では、イーサリアムを送金したのでイーサスキャンで話を進めていきたいと思います。

    TxIDを調べる

    暗号資産の送金履歴を調べるには、まず「TxID(トランザクションID)」を確認する必要があります。

    TxIDとは、ブロックチェーン上での送金や取引に付けられる一意の識別番号のようなもので、取引の詳細を追跡する際に使います。

    このTxIDは、次のいずれかで確認できます:

    • 暗号資産を送った取引所やウォレットアプリの「送金履歴」画面
    • 送金完了時にメールで届いた確認メッセージ
    • 相手から送られてきたスクリーンショット内の文字列

    英数字が40~64桁ほど並んだ文字列で、「0x」から始まっている場合が多いです(例:0xabc123...789)。

    このTxIDをコピーして、次の章で紹介するエクスプローラーに貼り付ければ、送金の詳細が確認できます。



    あんこさんの例では
    TxID:0xf3226ab79b97dea50e6437e…
    送金先アドレス:0x39b033755…
    となります。

    ※受取種別:本人への送金 となっていますが、CEX側は送金先のアドレスが本人の物かどうか調べているわけではありません。送金時に自分で設定(取引名目)しただけで、実際本人へ送金されているとは限りません。

    追跡ツールに送金先アドレスを入力

    検索窓に、送金先アドレスを入力してください。(コピペが間違いないです)。

    送金先アドレスへの入金と、送金先アドレスからの出金が見られます。一番左側にTxIDがあるので、自分が送金した日時にそのTxIDが見つかるはずです。
    これが、あんこさんの送金の記録です。

    注目すべきは、そのすぐ上に送金先アドレスから0x9774eb4d…へほぼ同額が送金されているところです。これは入金から数分後に行われていました(安全のために日時は伏せましたが、イーサスキャン上では確認できます)。もちろんあんこさんの操作ではありません。

    まとめ

    あんこさんの例から、デポジットアドレス(入金用アドレス)に送金した後、数分後に自分が操作していないのに勝手に別のウォレットに送金されていたことが、イーサスキャン(Etherscan)で確認できました。

    これは、明らかに本人の意思ではない資金移動であり、詐欺の証拠として十分です。
    警察に事情を説明する際も、この画面を見せればスムーズに伝わります。

    そして何より、「詐欺なのかな?それとも違うのかな?」と迷っていた方にとって、
    この事実が「詐欺だった」と確信を持つための決定的な材料になるはずです。

    ※本記事で紹介している画面やデータは、被害者ご本人からの情報提供をもとに、許可を得て掲載しています。


    ※本記事で使用している「TruBit Proと名乗るサイト」についての補足

    本記事内に登場する「TruBit Proと名乗るサイト」という表現について補足します。

    詐欺グループが利用していたサイトには「TruBit Pro」という名称やロゴが使われていましたが、
    これは正規のTruBit Pro取引所とは無関係である事を確認しました詐欺サイト確定です

    正規の「TruBit Pro」は海外の暗号資産取引所として実在していますが、
    2025年7月時点で、日本の金融庁に登録された暗号資産交換業者ではありません。

    そのため、万が一「TruBit Proと名乗るサイト」に誘導された場合は、
    詐欺です。すぐに金融庁や警察等に相談してください。