キッチンカー開業に必要な許可一覧
移動販売車による飲食ビジネス、いわゆる「キッチンカー」の開業は、比較的少ない初期投資で始められるため人気が高まっています。しかし、開業にはいくつかの法的な手続きが必要です。この記事では、キッチンカー営業に必要な許可や手続きについて、わかりやすくご紹介します。
1.食品営業許可(保健所の許可)
最も重要なのが、営業を行う保健所からの「食品営業許可」です。通常の飲食店と同様、キッチンカーでも衛生管理の基準が定められており、調理設備、給排水、手洗い場などの設置が求められます。
許可の種類は提供する食品によって異なり、たとえば「飲食店営業許可」「喫茶店営業許可」「そうざい製造業許可」などがあります。
2.営業所・車両の設備基準
キッチンカーは「移動設備」であるため、車両そのものが保健所の定める衛生基準を満たしている必要があります。給排水タンクの容量、冷蔵庫の設置、手洗い用のシンク、仕切りなどが基準に達していないと営業許可が下りません。
地域によって細かな基準が異なるため、営業予定地の保健所に事前相談することが重要です。
3.出店に必要な許可・届出
営業許可を取得しただけでは、どこでも自由に営業できるわけではありません。以下のような出店場所ごとの手続きが必要です:
- イベント・フェス会場:主催者の許可が必要
- 公園・公共地:自治体の使用許可・占用許可
- 私有地(店舗前など):土地所有者の承諾
4.火気使用の届出
キッチンカーでガスコンロや発電機など火気を使用する場合は、消防署への「火気使用届出」が必要になります。火災予防条例に基づき、設備の安全性も確認されます。
5.必要に応じて食品衛生責任者の資格
営業許可を取得するためには、原則として「食品衛生責任者」の設置が求められます。調理師・栄養士などの資格を持っていない場合は、1日講習を受講することで取得可能です。
6.キッチンカーに必要なその他の届け出
その他にも、以下のようなケースでは別途手続きが必要になります:
- 自治体によっては営業届の提出
- 音楽やマイク使用の場合、条例で制限あり
- 深夜営業を行う場合は別途許可が必要
まとめ:許可取得と準備は計画的に
キッチンカー営業を始めるためには、食品営業許可をはじめとする多くの手続きが必要です。とくに保健所の基準に適合した車両設備の準備は、開業の成否を分けるポイントとなります。
準備不足で開業が遅れることのないよう、早い段階で保健所や出店予定地の管理者に相談しながら計画を進めましょう。
行政書士しまだ法務事務所では、キッチンカー開業に必要な各種許可手続きについて丁寧にサポートしています。お気軽にご相談ください。