Q&A

販売店向けQ&A

改正法施行前までは、自動車販売店が登録申請書や車庫証明申請書を作成してくれることが多かった印象ですが、では今後どうしていけば自動車販売店がコンプライアンスを遵守しつつ同様のサービスが維持できるのか。

ざっくりですが、よくある質問についてまとめました。

記載されていないことは、行政書士法違反にならないということではありません。
下記に記載されておらず、不明な点については遠慮なくご連絡ください。
日本行政書士連合会許認可部運輸交通部門に照会いたします。

①販売した車の車庫証明申請書や登録申請書を、うちの販売員が作ってあげるのはダメ?

作成費用を無料としても、車両の販売代金や整備代金等に報酬が含まれていると考えられることから行政書士法違反になるものと考えられる。(参考資料A-2)


「無料」と表示していても、車両価格や整備費用等に実質的に含まれていると評価される可能性がある。
名目ではなく、実質で判断されます。

②顧客情報がデータベース化されています。それを用いて電子的に申請書を作成してもだめなのですか?紙に手書きしているわけではないのですが。

申請書を作成するため自社の顧客情報や車両情報等のデータベースの情報をもちいると、①と同じ理由により行政書士法違反となるものと考えられる。(参考資料A-2)

OCRシートや保管場所申請書をダウンロードしてデータで作成することが出来ますが、それも販売店が行うと違反と考えられるということですね。

③購入者が作成した書類を提出するのはいいんですよね?

書類を購入者が作成し、提出を販売店が行うことは問題ありませんが、もし補正がある場合は注意が必要です。ミスがあれば購入者本人が書き直す必要があるので、一度持ち帰りになります。委任された行政書士が提出に行った場合は、その場で補正可能です。

自動車販売会社の販売員が、自社が販売した車両に係る車庫証明申請書及び添付書類を警察署に提出した後に、車台番号の追記や記載内容の訂正・補正を行うと行政書士法違反となるものと考えられる。仮に、警察署の署員等から記載内容の訂正・補正を求められた場合であっても、これを行うと行政書士法違反となるものと考えられる。(参考資料A-2)

④自動車買取販売業をしています。販売時の登録は行政書士に依頼することはわかりましたが、買取時のお客さん名義の抹消登録は報酬を得ないので弊社で行えますか?

これは中遠支部の講習会で話題にでました。
「抹消で報酬を得ていない」と主張しても、実質的に含まれていると評価され得るため好ましくない、と整理されました。

⑤今までと何も変わらず、車庫証明も登録申請書も作成し手続きをしています。警察署でも、陸運支局でもなんのお咎めもありません。それでも行政書士に依頼すべきですか?

警察署・陸運支局に電話で実務をお伺いしました。回答としては「筆跡鑑定するわけでもなく、実務上誰が作成したかを確認するすべがない」とのことでした。
これはコンプライアンスの遵守に関する問題です。

行政書士法改正はある程度話題になっています。購入者が書類作成をしておらず、明細書に「登録費用〇万円」の記載があった場合、「これって、行政書士しかできないですよね?行政書士の領収書確認させてください」と言われた場合、どうしますか?

申請書等の作成が行政書士法に抵触するので、書類の作成のみを行政書士にお願いし、実際の手続きは事業者が窓口に持っていって代行するという形でお願いできないでしょうか?

行政書士が作成した書類を、事業者様が提出されるケースは違法ではありません。ただし行政書士でない者が補正することはできませんのでその点ご注意ください(参考資料A-3)

OSS申請の場合、提出書類を補正することがあまりない状況です。OCR相当部分はに補正があれば行政書士がPC上で補正可能です。紙申請の場合はその場に行政書士が不在ならば補正できませんのでご注意ください。

また、書類作成費は行政書士(行政書士は必ず領収書を発行します)、書類提出・交付は事業者が行うという業務分担が可能です。書類提出・交付のために事業者様が行った労働の対価を購入者に請求することは行政書士法違法にはなりません。

一般購入者向けQ&A

自動車販売店で車を購入したわけではないが、登録などの手続きを知り合いに頼んだ場合など、これは大丈夫?という疑問をまとめました。

①本人が書類を作成し提出する場合は法的に問題ないと思いますが、会社の場合の本人とは誰(どこまでが本人)でしょうか? 

会社の場合、会社の従業員が書類作成し提出することは問題ありません(参考資料A-3)

②家族の車両の車庫証明を車両所有者以外の家族が書類を作成する行為はどうなりますか?

通常は「業として」に該当しません。(参考資料A-3)

③中古車を購入しました。自分で登録手続きしたいのですができますか?

はい。ご本人が行う「本人申請」であれば、行政書士法違反にはなりません。
■ OSS(オンライン申請)の場合
OSSポータルサイトから「本人申請」で進めれば可能です。
ただし、事前に電子証明書の取得、カードリーダーの準備、PC環境設定などが必要です。
また、印鑑証明書や譲渡証明書など一部書類は窓口提出が必要な場合があり、地域によっては陸運支局へ複数回出向く必要があります。
■ 紙申請の場合
必要書類を揃えて陸運支局で手続きすることは可能です。
ただし、普通車(型式指定車)でナンバー変更がある場合は封印が必要です。
封印は原則として運輸支局での取付、または丁種出張封印取扱行政書士による対応となります。
販売店との引き渡し時期やナンバー変更の有無などを事前に確認してから進めることをおすすめします。
スムーズに進めたい場合は、行政書士へ依頼するという選択肢もあります。

AさんからBさんが車を購入しました。二人とも詳しくないので友達のCさんに有償で移転登録を委任しました。違反にならないか心配です。

一回限りで反復継続の意思がない場合には、通常「業として」には該当しないと考えられます。ただし、実態によっては評価が異なる可能性があります。

行政書士向けQ&A

自動車登録が専門ではない行政書士にも自動車販売店からの問い合わせが多数寄せられているとお聞きします。参考になればと思い掲載いたします。

他にも「こんな質問されたけど、即答できずに調査した」などのご経験がある先生がいらっしゃいましたらぜひご教示いただけたらと思います。こちらに追加で掲載していきますのでぜひご連絡ください。

①行政書士法第19号第1項の解釈について、「行政書士でない者が、正当業務の遂行上真に必要な範囲内において付随して行う場合は、従来どおり禁止されるものではない」としています。申請書等の作成はこの付随業務に該当しないのですか?

道路運送車両法に基づく自動車登録申請は自動車の所有者が、自動車の保管場所の確保等に関する法律に基づく車庫証明申請は自動車の保有者が、自ら行うものであるから、自動車販売会社による自動車登録申請書及び車庫証明申請書の作成は、「正当業務の遂行上真に必要な範囲内において付随して行う場合」に当たらない。(参考資料A-1)

はっきりとした文面で書かれていますね。
購入者が自ら行うものである、と言われても、実際は難しいところがあると感じます。新車新規登録を自分でやる場合、完成検査終了証や譲渡証明書を一般ユーザーにディーラーが渡してくれるものでしょうか?電子化されているからOSS本人申請ならできるのでしょうが、封印は?など色々打ち合わせが必要になると思います。
その点を考えると、実質的に購入者が自らというよりは、行政書士もしくは適用除外の団体に依頼するというのが現実的に見えます。

②自動車販売会社Aが、販売員甲をして登録申請書及び車庫証明申請書の作成並びに添付書類を収集及び申請書の提出の代行をさせ、法定費用をのぞいた報酬を得ている場合、行政書士法の規定を遵守するためとして、申請書の作成については無料とし、添付書類の収集及び申請書類の提出等の人件費及び交通費等の実費を登録代行手数料として顧客に明示して料金を徴収したら19条第1項違反なのか?

契約書や領収証等の書面あるいは口頭で書類の作成(添付書類及びその収集に関する書類の作成を含む)を無料とし、実費を登録代行手数料として顧客に明示して料金を徴収していても、実費に人件費等を含む場合、実質的に申請書の作成に対する報酬に該当する部分が含まれていると認定され、法第1条の3第1項の報酬にあたり、同法第19条第1項に違反する。(参考資料A-1)

簡単に言うと、書類作成は無料で、その他の実費として明示して徴収してもだめ。だと言っていますね。
書類作成を行政書士に依頼していた場合は、実費を請求できます。

③自動車販売会社Aが、販売員甲をして登録申請書及び車庫証明申請書の作成並びに添付書類を収集及び申請書の提出の代行をさせ、法定費用をのぞいた報酬を得ている場合において、書類の作成行為が全体の代行行為に占める割合が極めて少なく、むしろ、添付書類の収集及び申請書の提出の人件費及び交通費等の実費が大部分として見られるが、甲の代行行為全体に対する対価として報酬を得ている場合は19条第1項違反なのか?

書類の作成行為に対する対価を含む代行行為全体に対する対価として得ているのであれば、書類作成部分の全体に占める額の多寡は問わず、法第1条の3第1項の報酬にあたり、同法第19条第1項に違反する。(参考資料A-1)

自動車販売会社Aが、販売員甲をして登録申請書及び車庫証明申請書の作成並びに添付書類を収集及び申請書の提出の代行をさせ、法定費用をのぞいた報酬を得ている場合において、登録申請書及び車庫証明申請書の作成は、顧客自身が行い、自動車販売会社は、甲をして添付書類の収集及び申請書の提出の一連の手続を代行させ、これら手続代行の対価として法定費用を除いた報酬を得ている場合は19条第1項違反なのか?

自動車販売会社Aが、申請書の作成も添付書類及びその収集に関する書類の作成もしていないのであれば、法第1条の3第1項の報酬に該当しない。(参考資料A-1)

参考資料

・(A-1)国土交通省「行政書士法違反となる事例等
・(A-2)日本行政書士会連合会「自動車販売会社による登録等の手続きにおける行政書士法違反になるものと考えられる例について
・(A-3)静岡県行政書士会中遠支部講習会資料(内部資料のため掲載は控えます。ご質問があればお気軽にどうぞ)

まとめ

状況や立場により疑問はそれぞれあると思います。

コンプライアンスを守りながら販売サービスを維持するための具体的な連携方法については、お気軽にご相談ください。