2026年1月1日施行|行政書士法一部改正について

自動車登録に関係する部分をクローズアップして説明したいと思います。
根拠条文をお示ししますが、「だから結局どうなの?」だけを知りたい方は
読み飛ばしてまとめを読んでいただけたらと思います。

▶ 結論だけ読む(まとめへ)

業務の制限(第十九条)

(業務の制限)
第十九条 行政書士又は行政書士法人でない者は、他人の依頼を受けいかなる名目によるかを問わず報酬を得て、業として第一条の三に規定する業務を行うことができない。ただし、他の法律に別段の定めがある場合及び定型的かつ容易に行えるものとして総務省令で定める手続について、当該手続に関し相当の経験又は能力を有する者として総務省令で定める者が電磁的記録を作成する場合は、この限りでない。

 総務大臣は、前項に規定する総務省令を定めるときは、あらかじめ、当該手続に係る法令を所管する国務大臣の意見を聴くものとする。

(業務)
第一条の三 行政書士は、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類(その作成に代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)を作成する場合における当該電磁的記録を含む。以下この条及び次条において同じ。)その他権利義務又は事実証明に関する書類(実地調査に基づく図面類を含む。)を作成することを業とする。

出典|e-gov法令検索 URL|https://laws.e-gov.go.jp/

官公署に提出する書類(電磁的記録も含む)を作成することは、
この第十九条により「行政書士又は行政書士法人でない者は~行うことが出来ない」
とされています。

さらに、今回追加された「他人の依頼を受けいかなる名目によるかを問わず報酬を得て」について、自動車登録申請書や、車庫証明申請書の作成を販売店が行う場合、報酬の名目にかかわらず業として行えば該当し得る、との整理が示されています。

動きとしては大きくとらえられがちですが、改正法施行前から同様の考え方でしたが、「業務制限が明確化された」という形です。

つまり、「報酬を得て業として」書類を作成する行為は、行政書士以外は原則できない、ということです。

・行政書士の正当な業務領域の保護
・国民にとっては専門性・責任が担保されたサービスが受けられる
・行政機関にとっては手続きの適正化・円滑化につながる

両罰規定の新設

第二十一条の二 第十九条第一項の規定に違反したときは、その違反行為をした者は、一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。

第二十三条の三 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第二十一条の二第二十二条の四第二十三条第二項又は前条の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。

第二十一条の二 第十九条第一項の規定に違反したときは、その違反行為をした者は、一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。

第二十二条の四 第十九条の二の規定に違反したときは、その違反行為をした者は、百万円以下の罰金に処する。

第二十三条の二 次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした者は、三十万円以下の罰金に処する。
一 第十三条の二十の二第六項において準用する会社法第九百五十五条第一項の規定に違反して、同項に規定する調査記録簿等に同項に規定する電子公告調査に関し法務省令で定めるものを記載せず、若しくは記録せず、若しくは虚偽の記載若しくは記録をし、又は当該調査記録簿等を保存しなかつたとき。

二 第十三条の二十二第一項の規定による当該職員の検査を拒み、妨げ、又は忌避したとき。

第二十三条の三 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第二十一条の二、第二十二条の四、第二十三条第二項又は前条の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。

出典|e-gov法令検索 URL|https://laws.e-gov.go.jp/

第二十三条の三の「その行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する

の部分で「行為者のほか、法人、事業主等の使用者についても処分される」となっています。行為者(例えば一社員)だけでなく会社としても責任を問われます。そのため大手ディーラーはすでに「書類は行政書士が作成します」と公表しています。
一例として宮城三菱自動車販売のHPをご紹介します。

宮城三菱自動車販売のHPの要約

2026年1月1日施行の行政書士法改正により、行政書士資格を持たない者による書類作成が厳格化され、両罰規定も明確化された。これに伴い、同社は自動車登録申請書や車庫証明申請書、委任状、譲渡証明書などの登録関連書類の作成および提出代行を行わないこととした。

対応方針は以下のとおり。

  • 行政書士へ委任する場合は、指定の行政書士へ正式に委任する。
  • 本人申請の場合は、顧客自身が書類を作成・提出する。
  • 会社が行うのは、行政書士への委任状取得や書類の取次・受け渡し等の補助業務のみ。

今後も法令遵守の姿勢で対応する。

大手ディーラーにおいても、書類作成は行政書士に委任する方針を明確化しています。

業務の制限の適用除外

第十九条のただし書に、
「他の法律に別段の定めがある場合及び定型的かつ容易に行えるものとして総務省令で定める手続について、当該手続に関し相当の経験又は能力を有する者として総務省令で定める者が電磁的記録を作成する場合は、この限りでない。」
とあります。それについては行政書士法施行規則に記載があります。

行政書士法施行規則第20条

総務省令で定める者総務省令で定める手続き
(一社)日本自動車販売連合会型式指定車新車新規登録OSS(1項1号)
※保管場所証明申請については図面類を除く
軽自動車新車新規検査OSS(1項1号の2)
継続検査(車検)OSS(1項2号)
(一社)日本自動車整備振興会連合会継続検査(車検)OSS(1項2号)
(一社)全国軽自動車協会連合会自動車新車新規検査OSS(1項1号の2)
継続検査(車検)OSS(1項2号)
※検査対象軽自動車のみ

自販連・日整連・全軽連は、この表の内容について代理申請をすることが出来ます。これらの連合会に加盟しているのであれば、行政書士に依頼しなくてもOSS申請が可能です。
継続検査(車検)OSSについてはかなり普及率が高く、次いで新車新規登録OSSも、ディーラーさんに伺ったところ導入しているところが多かったです。日整連さんにも確認しましたが、静岡県の指定工場は、日整連加盟率100%と聞きました。継続検査OSSの普及率の高さの要因であると思っています。

補足として、適用除外の内容は電磁的記録の作成に限られ、紙媒体の書類作成まで一般的に認められるものではありません。
特に、(一社)日本自動車販売連合会が代理申請可能である型式指定車新車新規登録OSS(1項1号)の保管場所証明申請については図面類を除くという点にご注意いただきたいと思います。
図面を販売店が報酬を得て業として作成する場合には、第19条違反に該当する可能性があります。
購入者本人が作成しないのであれば、行政書士にご依頼いただくと安心です。

まとめ

改正法に対応するために注意してほしい事としては以下の点です。

・販売店が報酬を得て車庫証明申請書・登録申請書を作成する場合、第19条違反に該当する可能性
・両罰規定により、行為者のみならず法人・事業者も処罰対象
・自販連・日整連・全軽連は施行規則第20条の範囲内で一部OSS代理申請が可能
・紙媒体申請の場合、購入者本人による作成を除き、報酬を得て業として行う場合は行政書士による作成が必要


中間登録OSSを活用することで、法令遵守と業務効率化を両立することが可能です。