「相手がわかっているなら告訴できるのでは?」と思う方も多いでしょう。実は、加害者の特定状況によって、告訴状が受理されるかどうかは大きく左右されます。この記事では、告訴状提出に必要な「特定」の範囲や、具体的な事例、注意点について行政書士の視点からわかりやすく解説します。
告訴状に必要な「加害者の特定」とは?
告訴状を受理してもらうには、「誰が、何をしたのか」を明確にする必要があります。加害者が特定できていないと、警察としても捜査の着手が難しく、受理を見送られることが多いのが現実です。
とはいえ、氏名や住所が完璧にわからないと告訴できないというわけではありません。SNSアカウントや振込先口座情報など、複数の間接的な情報が一致していれば、告訴状の受理が可能なケースもあります。
どの程度の情報で「特定」とされる?
告訴状に記載すべき加害者情報には、以下のようなものがあります。
- 氏名・通称・ニックネーム
- 連絡手段(LINE、メールアドレス等)
- SNSアカウント情報(Instagramなど)
- 振込先口座番号、仮想通貨アドレス
- 通話履歴やチャットのスクリーンショット
これらが複数あり、かつ一貫したストーリーが組み立てられれば、「加害者の特定ができている」と判断される可能性が高まります。
【事例紹介】SNS経由での恋愛詐欺
被害者AさんはInstagramで知り合った相手に投資を勧められ、数十万円を送金。その後相手は連絡を絶ちました。
残されたのは、やり取りのスクショ、送金先口座、LINEアカウント名。これらを整理し、詐欺罪として告訴状を作成。加害者を「○○という名称のアカウントで活動し、特定口座に送金させた者」として記載しました。
結果、警察署にて受理され、捜査が開始されることになりました。
告訴状提出にあたっての注意点
1. 一貫したストーリーを構成する
加害者情報と被害事実が繋がっていることが重要です。「この人物が、こうやって被害を与えた」と明確に示しましょう。
2. 情報が断片的でも諦めない
住所や本名がわからなくても、証拠の蓄積で十分に「特定できている」と認められることがあります。
3. 行政書士への相談で受理率UP
証拠のまとめ方や、法的要件のチェックに不安がある場合は、行政書士など専門家の助力で告訴状の完成度が高まります。
まとめ
- 加害者を特定できれば、告訴状は受理されやすくなる
- SNS情報・口座・スクショなど複数の証拠がカギ
- 情報が断片的でも、構成次第で特定は可能
- 行政書士のサポートで書類の完成度を高めよう
行政書士しまだ法務事務所では、告訴状の作成支援を行っています。お困りの際は、お気軽にご相談ください。