IT導入補助金でできること・できないことの見極め方

目次

1.IT導入補助金とは?

IT導入補助金は、中小企業や小規模事業者の業務効率化や生産性向上を目的とし、ソフトウェアやクラウドサービスなどの導入費用を支援する補助制度です。

対象は、業務の見える化・効率化・非対面化・自動化などに資するITツールで、導入によって業績改善が期待できる取り組みが求められます。

2.補助金の主な類型(2024年版)

年度によって内容は変動しますが、現時点では以下のような区分があります:

  • ● 通常枠(A類型・B類型)…業務プロセス改善
  • ● デジタル化基盤導入類型…インボイス対応やEC導入など
  • ● セキュリティ対策推進枠…サイバー対策のツール導入

それぞれ補助率や補助上限額が異なるため、目的に応じた申請が必要です。

3.IT導入補助金でできること

補助対象となる代表的な事例を紹介します:

  • ・クラウド型会計ソフト・販売管理ソフトの導入
  • ・顧客管理(CRM)・在庫管理システムの導入
  • ・Web会議・チャットツールなどの業務効率化支援
  • ・POSレジ・タブレット連携の業務改善システム
  • ・ECサイトの構築(特にデジタル化基盤枠)

いずれも「IT導入支援事業者」によって登録されたITツールが対象です。

4.IT導入補助金でできないこと

誤解されやすい「対象外」の例も押さえておきましょう:

  • × パソコン・スマホ・プリンターなど汎用機器の購入
  • × 事務所移転・内装費・ネット回線工事などの環境整備
  • × ソフトウェア開発を含まないコンサル費用
  • × 自社開発システム(第三者販売を前提としないもの)
  • × 一般的な広告出稿・チラシ作成など

「ITツールの導入費用」であっても、対象外とされる費用は多くあります。

5.判断のポイントと見極め方

申請前に確認しておきたいポイントは以下の通りです:

  • ✅ IT導入支援事業者が登録されているか
  • ✅ ツールが「ITツール登録一覧」に載っているか
  • ✅ サービス提供期間が公募期間と合致しているか
  • ✅ 補助目的と導入理由がロジカルに説明できるか

補助対象の境界線は曖昧な場合もあるため、導入事業者や専門家と早めに相談するのが重要です。

6.申請フローの概要

IT導入補助金は、他の補助金と異なり、申請をIT導入支援事業者と共同で行うのが原則です。

  1. ① ITツール・支援事業者の選定
  2. ② ツールの機能・費用・導入目的の確認
  3. ③ 事業者と連携してgBizID・SECURITY ACTION登録
  4. ④ 支援事業者が代理申請を実施
  5. ⑤ 採択後、ツール導入・実績報告

申請タイミングが決まっているため、スケジュール管理も重要です。

7.まとめ

IT導入補助金は、ITツール導入に特化したシンプルな制度ですが、細かい制約や「できないこと」も多いため注意が必要です。

支援事業者との連携、補助対象の正確な見極め、スケジュール管理を徹底することで、安心して制度を活用できます。

行政書士しまだ法務事務所では、支援事業者との連携・gBizID取得・目的整理まで丁寧にサポートしています。初めての方もお気軽にご相談ください。

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