採択される申請書のコツとは?実例から学ぶ成功パターン

目次

1.採択される申請書の基本構成とは?

補助金の申請書は単なる「説明資料」ではなく、事業の将来性と信頼性を審査員に伝えるための提案書です。特に事業再構築補助金など競争が激しい制度では、以下のような構成が基本となります:

  • ① 事業の概要と背景
  • ② 既存事業の課題
  • ③ 再構築の内容(何をどう変えるか)
  • ④ 投資計画とスケジュール
  • ⑤ 市場分析と差別化ポイント
  • ⑥ 数値目標(売上・付加価値・雇用)
  • ⑦ リスクと対策

各パートが論理的に繋がり、過不足なく記述されているかが評価のカギです。

2.伝わる文章の書き方

申請書では専門用語や抽象的な表現を避け、誰が読んでも理解できる言葉で記述することが大切です。

悪い例:

顧客ニーズに対応した独自性の高い事業を展開します。

良い例:

地元の高齢者向けに、買い物代行と健康相談を組み合わせた移動販売事業を開始します。

具体的でイメージが湧きやすく、審査員の理解を助けます。

3.図表を使って視覚的にアピール

申請書にはグラフやイラスト、表を活用しましょう。文字だけで長文になると、審査側の理解力を削いでしまいます。

特に効果的なのは以下のような図表です:

  • ・SWOT分析
  • ・競合比較表
  • ・売上・利益の推移グラフ
  • ・スケジュール工程表(ガントチャート)

図表は「説明の補足」ではなく「審査員の理解を助ける道具」として使う意識を持ちましょう。

4.事業内容の一貫性を保つ

申請書では「矛盾のない構成」が非常に重視されます。たとえば、次のようなズレがあると審査員は不信感を抱きます:

  • ・目的はBtoCなのに、投資内容がBtoB向け機器になっている
  • ・人員増を予定していないのに、売上が倍増する前提になっている
  • ・ターゲット層の説明と販促方法が食い違っている

各章の内容が「因果関係でつながっているか」を確認し、事業計画としての整合性を大切にしましょう。

5.採択された実例に見る成功パターン

以下は、実際に採択された事業の要約です:

◆ 地方の理容店 → 高齢者向け訪問美容サービスへ拡大

  • ・背景:コロナで来店客が激減
  • ・課題:店内型営業の限界
  • ・再構築:車両を使った出張カットサービス
  • ・成果:地域の介護施設と提携し、採択&売上回復

◆ 老舗和菓子屋 → EC通販&インバウンド対応へ

  • ・背景:観光客激減で店舗売上が6割減
  • ・課題:ネット対応の遅れ
  • ・再構築:多言語対応のEC構築+冷凍発送体制整備
  • ・成果:採択後、海外出荷にも対応できる体制を確立

いずれも「課題→変化→投資内容→成果」が一貫しているのが特徴です。

6.まとめと申請サポートについて

採択される申請書は、単なる希望ではなく緻密な戦略と現実的な計画に基づいています。

・誰が読んでも分かる具体的な表現
・図表による補足説明
・一貫した論理構成
・現実に即した投資と数値目標

これらを丁寧に積み重ねることで、申請書の「説得力」は大きく向上します。

行政書士しまだ法務事務所では、補助金申請書の添削・構成指導・一部代行まで幅広く対応しています。ご自身で書く方へのサポートプランもご用意していますので、お気軽にご相談ください。

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